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創発科学研究科 博士後期課程 創発科学専攻
(先端工学デザインプログラム)
2024年度 入学
本日はお忙しい中、貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。早速ですが、普段はどんなお仕事をされているのでしょうか?
私は、瀬戸内圏研究センターという海の研究を主に行っている施設で、大小の船舶に乗って、海上の調査に同行し、海水のサンプリングを行ったり、水質測定などを手伝っています。帰港後は、その海水中のプランクトンを顕微鏡で観察したりしています。
なるほど、海洋研究がメインのお仕事ですね。それでは、大学院に進学したきっかけは何でしょうか?
最初に大学院に進学したのは、平成14年のことです。その頃、香川県水産試験場で魚を増やす研究をしていたのですが、思うように成果が上がらなくて。そこで、工学部の末永先生に相談したところ、一緒に研究を進めようという話になりました。それがきっかけで修士課程に進学し、その後博士課程も修了しました。
なるほど。その後、現在の大学院へ進んだ理由は?
今まで、理系の研究ばかりしていましたが、大学院では、理系だけでなく文系も取り入れた研究ができる点に魅力を感じました。研究は社会に貢献するものだと思っているので、それを分かりやすく伝える方法も学びたくて、この進学を決意しました。
社会貢献の意識から進学されたんですね。それでは、進学にあたって、家族や職場の理解を得るのは難しくなかったですか?
職場では、迷惑をかけないよう、できるだけ早めに仕事を片付けるように心掛けました。家庭では子どもが大きくなったタイミングで進学したので、家族の支えがあって進めたと思います。
なるほど、仕事と家庭での調整がうまくいったわけですね。それでは、大学院で学ばれている専攻内容について教えてください。
元々、魚の生産性を上げるために研究してきたのですが、現在は海の生産性を上げるための技術や方法を研究しています。特に、海藻を増やすことで地球温暖化対策に貢献する「ブルーカーボン」の研究などにも取り組んでいます。
ブルーカーボンの研究、非常に興味深いですね。
大学院に進学してから、印象的だったことはありますか?
まだ始まったばかりですが、8月にタイのチェンマイ大学で行われるシンポジウムで講演する機会をいただきました。国際会議で発表するチャンスが増えるのは楽しみですね。
海外の発表や研究者との交流は貴重な経験ですよね。実際、海外の研究者と交流して、何か新しいアイデアを得たことはありますか?
海外の研究者と議論をすることは、新たなモチベーションにつながると思いますが、まだまだ英語力を磨く必要があると感じています。また、文献を調べるときに海外の研究を参考にすることも重要です。研究をまとめる際には、世界中の最新の知見を参考にするため、常に調べ続けることが大事だと感じています。
なるほど、文献を通じて海外の研究と繋がっているんですね。それでは、大学院に進学してよかったことは何ですか?
瀬戸内海の環境変化を解明するための研究を進められていることです。過去のデータが少ない中で、文系・理系の様々な文献を調べながら、昔の豊かな海をどう再現できるかを考えることがとても面白いです。
研究のテーマがどんどん深まっているのですね。最後に、これから大学院に進もうと考えている方へのアドバイスはありますか?
研究は一人で進めるものではなく、多くの人との協力が必要です。今では産学官連携した研究が不可欠になってきています。ですので、職場の理解を得ることが大事で、私は早めに計画を立てて、関係者に協力をお願いするようにしました。最も大切なのは、すぐやるべきことは速やかに、時間をかけるべきことは無意識で常に考えながら、研究と仕事を両立させるための時間を惜しまないことですね。
ありがとうございます。研究と仕事を両立させるための工夫がよく伝わりました。本日は貴重なお話をありがとうございました!
こちらこそ、ありがとうございました。