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農学研究科 修士課程 応用生物・希少糖科学専攻 (環境生物科学コース)
2023年度 入学
まず、普段どんなお仕事をされているのか教えていただけますか?
はい、現在は公立高校で理科の教員をしています。具体的には、化学の授業を担当しています。
ありがとうございます。それでは、大学院に進学を決めたきっかけについてお聞きしたいのですが、いつ頃から進学を考えていたのでしょうか?
大学院に行きたかったという気持ちはずっとあったのですが、人生100年時代を迎えて、今がそのタイミングだと思いました。定年退職までの時間も考慮し、今進学すれば得た知識を高校生に還元できると思い、進学を決意しました。
進学の決断、素晴らしいですね!今、大学院でどのような研究をしているのか、その研究内容と選んだ理由をお聞かせください。
大学時代に海洋環境について興味を持っていて、それを深めたくて大学院に進みました。具体的には、植物プランクトンが排出する溶存有機物について研究しています。植物プランクトンは光合成を行い有機物を作りますが、それが海に溶けて捨てられているという現象に疑問を感じ、その理由を探っています。溶存有機物を調べることは、二酸化炭素を含めた炭素の循環を捉えることになるので地球環境の全体を捉えることにもつながる重要なテーマです。
非常に興味深いですね!その研究が高校の授業にどう活かされると考えていますか?
高校生の探究活動に役立つと考えています。特に環境問題に関心を持つ生徒が増えているので、最新の研究結果を授業で共有することで、生徒たちにも刺激を与え、研究の道に進むきっかけを作れればと思っています。
素晴らしいですね!高校生にとっても大きな学びになりそうです。それでは、大学院で学ぶ魅力を教えていただけますか?
一番の魅力はフィールドワークです。香川大学には調査船が2隻あり、実際に海に出て観測を行うことができます。海に出ることで非日常的な体験ができ、非常に楽しいです。また、国際研究コミュニケーションの授業もあり、英語でプレゼンテーションを行う機会が得られるので、非常に高度なスキルを身につけられました。
フィールドワークや英語でのプレゼンなど、非常に貴重な経験ですね。研究室での学びや先生の指導も大きな要素だと思いますが、印象に残っていることはありますか?
特に専攻セミナーという授業が印象に残っています。自分の研究に近い英語の論文を読み、プレゼンするのですが、それが非常に難しくて一苦労でした。でも、専門的な内容について直接指導してもらえるので、非常に勉強になります。学会発表に向けて準備をしているときも、教授たちの鋭い質問に答えるのが大変ですが、それが成長につながっています。
そのような高度な授業を受けることで、研究者としての成長を実感されているのですね。それでは、大学院に進学して良かった点を教えていただけますか?
最も良かったのは、年齢や国籍に関係なく学びたいという人々が集まり、平等に挑戦できる環境があることです。また、最先端の研究設備や手法を自由に使わせてもらえるので、自分のやりたかった研究ができて非常に満足しています。
素晴らしい環境ですね!研究室の仲間とも年齢差を感じることなくディスカッションできるとのことですが、他に社会人の学生の方はいますか?
私の研究室には、社会人経験のある方が他にも1人いますが、すでに博士号を取得されているので、学生としては私一人ですね。フルタイムの学生や留学生との交流が多いです。
それでは、社会人としての生活と研究生活を両立するために工夫した点はありますか?
教員には「大学院修学休業制度」があり、2年間休職して研究に専念できます。この制度があったおかげで、安心して研究に集中できました。また、職場の負担が少ないように代わりの教員が配置されるので、制度が非常に活用しやすいです。
その制度、非常に役立ちますね!それでは、これから大学院に進学を考えている方へのメッセージをお願いできますか?
社会人入学は確かにいろいろな障害があるかもしれませんが、それを乗り越えた先に得られる経験や知識は、どんなものにも変えられない価値があると思います。自分のやりたいことがあれば、思い切って飛び込んでみてください。
ありがとうございます!最後に、修士課程の修了後についてお聞きしますが、博士課程への進学は考えていらっしゃいますか?
現在のところは高校に戻って教員として再スタートする予定です。博士課程については、今は考えていません。
ありがとうございます。学会発表に向けた準備も進んでいるとのことですが、学会での発表が楽しみですね!
はい、ちょっと緊張もしますが、楽しみにしています。
それでは、頑張ってください!貴重なお話をありがとうございました。
ありがとうございました。